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建築材料劣化マップ


    ・ 自由に建築劣化調査(2001)
    ・ 東大本郷キャンパス
  2002年度
  2003年度
  2004年度
  2005年度
   

建築劣化マップは、野口研院生が自己学習のため劣化解説を行っています。専門家の方で、間違いなど、お気づきの点がありましたら、メール、または掲示板でご連絡ください。




野口研では、三年生の授業・建築材料演習の一環として学生とともに各年テーマを決めて東京大学本郷キャンパス内での建築物の劣化状況の実地調査を行っています。このページでは、その他の建築劣化調査についても、時間があれば更新していく予定です。

 
実地調査のポイント

まず、建築物は

・ 気象条件(温度・湿度・土壌・風雨)
・ 建築物そのものの先天的な欠陥(施工不良)
・ 立地条件 (地盤安定性・周辺の建物・植栽・周囲の交通)

などの影響をうけて劣化していきます。


人間がさまざまな環境変化の中で体調を崩したり、もともと持っていた先天的な障害が原因で病気になってしまうように、建築物の劣化の原因も、外的にしろ、内的にしろ、何かの「変化」や「違い」が原因にあると考えることがでできます。

見る箇所

・ 周辺の環境を見回す(地盤・植栽・交通・人通りなど)
・ 外部(下部、上部、角部、湾曲部、屋上など、建物と地盤との関係)
・ 外部付属物(外階段の手すり、違う材料同士の突合せ部分など)
・ 内部(下部、上部、角部、湾曲部など)
・ 内部付属物(階段の手すり、違う材料同士の突合せ部分など)
・ 全般として、異物材料どうしの突合せ部分

よく見つかる事例

・ タイル、コーティング、シーリングなどの剥落
・ 壁・梁のひびわれ
・ スチール材のさび汁が異材料へ流出・固定する
・ ひび割れ部分からの白華(エフロ・レッセンス)の垂れ
・ 湿気・雨水の流れ道の黒カビ・コケの発生

さらに知っておくべきポイント


建築物の劣化調査でさらに知っておくべきことは、使用材料の基本的な特性を知っておくことです。例えば、建築物の主要な構造形式である鉄筋コンクリートだと、コンクリートの乾燥収縮を鉄筋が拘束し、引張応力がコンクリートに生じる結果、コンクリートにひび割れが現れることになります。

建築物劣化の考え方

新築件数が年々減ってきている現在、古くなった建築物を新たに建て直すのではなくて、いかに補修・改修・あるいは増築・減築などの再構成的な手法によって、再び利用価値の高い建築物に換えることで長く利用するか、ということが求められています。

こういった再構成的手法は、 経済学的にみると新築にかかるよりも少ないコストで、建築物の付加価値を向上させる可能性を持っているということに相当しますし、 環境学的にみると、材料の使用量を減らせるので、余分なエネルギー消費を抑制することができます。(もちろん、これらの側面は現状との比較を十分に行った上で判断されなければなりません)
また、建築設計的な観点に立つ場合、誤解を恐れずにわかりやすく説明しようとすると、

 
構造的な劣化
 
現状の
用途的な劣化
をどのような手段で性能回復、向上をさせるのか
 
美観的な劣化
 

に相当すると考えられます。すなわち、劣化とは「既存の性能の低下」として定義されるのみであり、劣化という概念は、禁忌的なものではなくて、考え方次第でいくらでも建築的な新しい契機となりうる可能性を秘めている、と考えられます。建築物を長期的に使用すると仮定した上での「現在の劣化状況」という考え方を持つようにすればいいかな、と思います。


参考文献
・ 概念を知る上でためになる書籍
時間のなかの建築
/Mohsen Mostafavi & David Leatherbarrow (原著), 黒石 いずみ (翻訳), 鹿島出版会
廃棄の文化史
/ケヴィン・リンチ, 彰国社
・ 事例を理解する上で役立つ書籍
外壁の改修と保全設計
/小原 誠・折笠 彌・関根 俊久(彰国社)
コンクリートのひび割れと防止のポイント
/笠井 芳夫 監修, pp.104-186,No.591,1999, 建築技術
 
・ 建築の性能全般を知る上で役立つ書籍
性能からみた建築材料設計用教材
建築材料設計研究会 編著
彰国社


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