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セメント回収型完全リサイクルコンクリート開発に関する研究
Development of Cement-recovery Type Completely Recyclable Concrete



表1にセメント回収型完全リサイクルコンクリートに使用できる材料を示す。これらの材料を適宜組み合わせることにより、表2に示すような様々なセメント回収型完全リサイクルコンクリートを製造することが可能である。



表1 完全リサイクルコンクリートに使用できる材料
粉体 セメント、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカ質粉末、シリカフューム、石灰石微粉末
細骨材 石灰石砕砂、珪酸質岩石砕砂、珪砂、高炉スラグ細骨材、
膨張頁岩系人工軽量細骨材、フライアッシュ焼成細骨材、銅スラグ砕砂、フェロニッケルスラグ細骨材
粗骨材 石灰石砕石、珪酸質岩石の砕石または砂利、粘板岩の砕石または砂利、
高炉スラグ粗骨材、膨張頁岩系人工軽量粗骨材、フライアッシュ焼成粗骨材


表2 完全リサイクルコンクリートの調合例(単位:s/m3)
種類 セメント 混和材 細骨材 粗骨材
普通コンクリート a 180 320 0 石灰石砕砂
785
石灰石砕石
1050
普通コンクリート b 180 190 高炉スラグ
130
珪酸質岩石砕砂
755
石灰石砕石
1050
高流動コンクリート 180 305 フライアッシュ
244
石灰石砕砂
770
石灰石砕石
770
軽量コンクリート 180 360 石灰石砕砂
880
膨張頁岩系人工軽量骨材
443


最も基本的な例として、普通ポルトランドセメント、石灰石砕石および石灰石砕砂を用いて製造したセメント回収型完全リサイクルコンクリートの完全リサイクル性の実証結果を以下に示す。硬化した原コンクリートを粉砕したもの全量に、必要な成分調整を行ってセメント原料とし、電気炉焼成、石膏添加および粉砕の工程を経て得られた再生セメントを用いて再度コンクリートを製造した結果、表3に示すように再生セメント・再生コンクリートとも、市販セメント・原コンクリートと同等の品質を有するものが得られたことがわかる。

表3 完全リサイクル性の実証結果
   
比重
 
比表面積
(cm2/g)
 
凝結
始発
終結
 
フロー値
(mm)
 
圧縮強さ (N/mm2)
03日
07日
28日
再生セメント  
3.13
 
3340
 
2h-00m
 
2h-50m
 
233
 
152.
24.3
42.3


通常強度
コンクリート
種類
W/C
圧縮強度
(N/mm2)
 
ヤング係数
(kN/mm2)
 
 
0.58
 
31.6
 
39.1
 
再生
 
0.30
 
35.2
 
39.0
 
  高強度
コンクリート
種類
W/C
圧縮強度
(N/mm2)
 
ヤング係数
(kN/mm2)
 
 
0.58
 
67.6
 
48.0
 
再生
 
0.30
 
66.8
 
46.5
 
 


上記に示した通常のセメント回収型完全リサイクルコンクリートは、解体後、単独でセメント原料として用いようとすると、CaO源、SiO2源、Al2O3源あるいはFe2O3源となる材料の添加が必要となる。特に、骨材として石灰石を用いないセメント回収型完全リサイクルコンクリートの場合には、セメント原料としてはセメントの主要成分であるCaOが不足するため、石灰石を添加しなければならず、石灰石資源の節約という観点からは望ましくない。このように、セメント原料としてリサイクルする段階で、成分調整のために天然資源の投入が必要となるセメント回収型完全リサイクルコンクリートは、完全に閉鎖したマテリアルフローを形成できない。
 一方、コンクリートはこれまで、高炉スラグ、フライアッシュなど、建設産業以外から排出される副産物の再利用にも積極的に取り組んできたが、フライアッシュなどのように埋立て処分に廻されているものもなお相当量ある。これらの副産物は、セメント原料として必要なSiO2、Al2O3、Fe2O3を十分に含有している。したがって、これらの産業副産物を取込むことによりセメント原料として成分調整が不要なセメント回収型完全リサイクルコンクリートの製造も可能であり、他産業の副産物の有効利用という観点からのみならず、完全リサイクルコンクリート自身における資源節約という観点からも、これら産業副産物の取込みは重要である。表4に産業副産物の全量を成分調整不要・セメント回収型完全リサイクルコンクリートに取り込めるか否かの可能性についての検討結果を示す。このように普通セメント再生用のセメント回収型完全リサイクルコンクリート3種類と低熱セメント再生用のセメント回収型完全リサイクルコンクリートを所定量製造することにより、産業副産物の全量を有効利用することも可能となる。



表4 成分調整不要完全リサイクルコンクリートの調合(kg/m3、単位水量は184kg/m3一定)
目標
再生セメント
 
普通セメント
(kg/m3)
 
シリカフューム
(kg/m3)
 
細骨材
(kg/m3)
石灰岩
砕砂
珪砂
フライアッシュ
起源細骨材
高炉スラグ
砕砂
銅スラグ
砕砂
 
粗骨材
(kg/m3)
石灰岩
砕砂
 
フライアッシュ
起源細骨材
 
生産量
(万m3)
普通@  
317
 
-
 
199
112
26
404
30
 
1044
 
-
 
5900
普通A  
315
 
2
 
666
60
-
-
6
 
702
 
258
 
300
普通B  
317
 
-
 
603
118
-
-
-
 
776
 
198
 
2750
低熱  
317
 
43
 
286
-
114
188
168
 
1044
 
-
 
400




最も単純な組み合わせであるが、粗骨材・細骨材として石灰石砕石・砕砂を用いた完全リサイクルコンクリートを従来のコンクリートに順次置き換えていった場合、将来のコンクリート事情および資源環境問題がどのように変化するかという予測を下記の条件設定の元で行った結果を図1〜図4に示す。

1) コンクリートの生産量は年間3億m3一定とする。
2) コンクリート構造物は、建設後31〜60年の間に均等に解体される。
3) 解体コンクリートの回収率は95%とする。
4) 回収されたコンクリートは、当初、全量がセメント原料に廻され、再生セメントの供給が過剰となった後は、75%が再生骨材、25%がセメント原料となる。
5) 再生骨材に付着するセメントペースト硬化体の割合は30%とする。
6) 完全リサイクルコンクリートの使用量は毎年5%ずつ増加させる。

 図1〜図4から以下のことがわかる。

1) 従来のコンクリートは約50年後に使用されなくなり、約60年後からは完全リサイクルコンクリートから再生されるコンクリートが生産されるようになる。
2) コンクリートへの石灰石の消費量は、今後100年間は増大するが、その後、急激に鈍化し、200年後以降の消費量は非常に減少する。
3) 最終処分(廃棄)されるコンクリートは約50年後にピークに達し、その後急激に減少する。
4) セメント製造時の二酸化炭素排出量は、約30年後から徐々に減少する。


 このように、従来のコンクリートから完全リサイクルコンクリートおよび再生コンクリートへの転換により、コンクリートの廃棄処分、二酸化炭素排出、骨材資源の枯渇などの問題は大幅に改善され、また、石灰石資源は構造物の形で永久に保存・蓄積されることとなり、石灰石資源の枯渇問題も解消される。




図1 生産されるコンクリート種類の推移




図2 生産されるセメントの種類の推移




図3 石灰石累積消費量の推移





図4 石灰石累積消費量の推移




リンク
当研究室において発表されましたセメント回収型完全リサイクルコンクリートに関する一連の研究に関連したページとして、
株式会社トウザキ様も、完全リサイクルコンクリートと同等の性能を持つものを独自に開発しておられたということで、bmeBBS にてお知らせいただきました。 相互リンクしていただいております。


株式会社 トウザキ

資源ストック型 完全循環型コンクリートのページはこちら



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