日本では、火山灰が広く分布していることから天然ポゾランが豊富に存在し、150年以上にわたりコンクリート構造物に利用されてきました。近年では、火山灰から非晶質成分を抽出するために粉砕・分級した火山ガラス粉末(#VGP)が、セメント系材料として規格化され、実務への適用が進んでいます。
本研究では、OPC–VGP 系における水和反応および強度発現メカニズムを明らかにするため、1 年齢までの水和解析と物性評価を総合的に実施しました。特に高分解能 #SEM 観察により、VGP 粒子周囲で生成・成長する C–S–H の形態変化を詳細に捉え、ポゾラン反応が微細構造の進展にどのように寄与するかを示しました。
火山材料のポゾラン反応はこれまでにも知られていますが、本研究は日本で実用される VGP に特化した基礎データを提供しており、研究的にも実務的にも有益な知見を与えるものです。
Y. Ren, A. Tomoyose, I. Maruyama, Long-term hydration and pozzolanic reactivity of volcanic glass powder in blended cement systems: Microstructural evolution and compressive strength development, Constr. Build. Mater. 494 (2025) 143331. https://doi.org/10.1016/j.conbuildmat.2025.143331.





