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炭酸化C–A–S–HとCs, Srの相互作用

炭酸化を受けたC–A–S–H(カルシウム–アルミニウム–シリケート水和物)と、放射性核種であるセシウム(Cs)およびストロンチウム(Sr)との相互作用を評価するため、熱力学平衡計算に基づくモデルを構築しました。
さらに、炭酸化後に形成されるシリカゲル相を対象とした新しいモデルも提案しており、これが最新の研究アプローチとなります。

福島第一原子力発電所の事故を経て、当時使用されていたコンクリートを今後どのように扱うべきかは、社会として避けて通れない課題です。
事故時に放出された放射性物質が、構造物中の鉱物相とどのように反応し、どこに固定されたのかを理解することは、将来の処理方針を考える上で欠かせません。

私たちはまず、汚染されていないコンクリートと汚染を受けたコンクリートの違いを見極めるための基礎データを取得し、それをモデル化することで、将来の廃炉や環境修復の議論に活かせるような社会的貢献につなげることを目指しています。

S. Tomita, K. Yamada, G. Igarashi, Y. Hosokawa, I. Maruyama, Interaction of Cs and Sr with C–A–S–H and Carbonated C–A–S–H phases: Experimental study and thermodynamic modeling, J. Nucl. Mater. 617 (2025) 156156. https://doi.org/10.1016/j.jnucmat.2025.156156.

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