
新しく、加速炭酸化に関する論文がCement and Concrete Researchから公開になりました。今回の論文では、SCMを用いて、異なるCa/Siを有するセメントペーストとしたあとに強制炭酸化の実験を行いました。
これらの結果、Ca/Si比がさがれば耐中性化性能がわるくなるということではなくて、Ca/SI比が下がってC=S-Hの形状がシート状になることによって耐久性の向上がCa量の低下による耐久性低下が上回る最適状態があることがわかりました。
さらに、加速炭酸化における炭酸化フロントの進行を予測するには、結局炭酸化領域の水分移動係数と未炭酸化領域の水分移動係数の両者を考えて、ある含水率のときに炭酸化フロントになって、かつ水分移動係数が変化するという簡略した計算でも、どのサンプルに関しても適切に中性化フロントを予測できることを示しました。
すなわち、加速炭酸化では、水分移動が全体の炭酸化を律速することを新たな形で立証しました。
論文、オープンアクセスです。
L. Cheng, R. Kurihara, Z. Yang, T. Ohkubo, R. Kitagaki, A. Teramoto, Y. Suda, I. Maruyama, Accelerated carbonation fronts in cement pastes: Mechanistic insights and simplified modeling, Cem. Concr. Res. 199 (2026) 108050.https://doi.org/10.1016/j.cemconres.2025.108050





